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新型コロナウイルスとは?その感染予防について How to prevent infection

東京から時々稽古にいらっしゃる濵田先生が新型コロナウイルスCOVID-19に関する知識や、感染予防の方法についていろいろな情報を送ってくださっています。

専門家によってウェブページや講演会などで発表された内容をを日本語に訳したものです。濵田先生、どうもありがとうございました。

ジョンズ・ホプキンス大学:感染予防法
ジョンズ・ホプキンス大学は米国ボルチモアにあり、世界屈指の医学部を有するアメリカ最難関大学の一つです。今回の新型コロナウイルスに関しても、いちはやく世界の感染データをまとめ、発信してきました。この大学の感染症が専門の教授による情報です。

Huawei社:社員向けオンライン講義とQ&A
中国の巨大ハイテク企業Huawei社が、感染症専門医師Zhang氏(上海復旦大学卒、50歳)を招いて全世界の従業員に行った2時間に及ぶオンライン講義とQ&Aの要点です。

長崎大学熱帯医学研究所:公明新聞2020/04/04 4面より
濵田先生からのメールを転載します。
ウイルス関係の情報を調べながら、大変、冷静かつ客観的な記事に出会いましたので、ご紹介します。少し長いですが、分かりやすく書かれています(下線は、濵田が付けました。)。よろしければ、ご活用ください。

長崎大学熱帯医学研究所 Institute of Tropical Medicien, Nagasaki University

「土曜特集 新型コロナどう向き合うか 長崎大学熱帯医学研究所教授 山本太郎氏に聞く」(公明新聞2020/04/04 4面より)

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が止まらない。なぜヒト社会に突如、現れたのか。終息への手だては。人類の脅威ともなっているウイルスとどう向き合えばいいのか。アフリカやハイチなどで感染症対策に従事した経験を持つ、長崎大学熱帯医学研究所の山本太郎教授に聞いた。

■(なぜ出現したか)“野生”への人間進出が原因/グローバル化、世界的大流行を加速

 ――新型コロナウイルスとは。

 山本太郎教授 野生動物が保有しているウイルスの一種だ。今回、たまたまヒトに感染して広がり、発熱やせきなど呼吸器系の疾患を引き起こし、重症例では肺炎に進行している。多くは軽症や無症状のようだが、感染者のせきやくしゃみなどの飛沫や接触感染で、一気に流行する性質が顕著になっている。

 ヒトに感染するコロナウイルスは、これまで6種類が知られていた。4種類は風邪の原因となるウイルスで、重篤な肺炎を引き起こす2種類として、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスと、現在も中東で小規模流行が見られるMERS(中東呼吸器症候群)ウイルスが確認されているが、今回、7種類目が出現したことになる。

 ――なぜ、ヒト社会に出現したのか。

 山本 野生動物が暮らす生態系に人間が進出したのが大きな原因だ。新たな感染症は、基本的に動物からやってくる。長い人類史の中で繰り返されたことが、今回また一つ起きた。最近のSARSや鳥インフルエンザ、エボラ出血熱なども同様だ。

 背景には、自然環境の止めどない開発や、地球温暖化による野生動物の生息域の縮小などがある。近代的な行為の結果といえよう。

 私たち研究者は、感染症が流行する原因を一生懸命に突き止めようとしてきた。しかし、近年、本当は逆ではないかと思うようになった。人間の目には、ウイルスなどの病原体が自然と勝手に流行しているように映るが、そうではない。実は人間社会のありようが、感染の広がり方などを決定付けていると。

 現代はグローバル化が格段に進んだ時代だ。地球の隅々まで交通網が発達し、人やモノが短時間で激しく移動する。それを物語るかのように、新型コロナウイルスは、昨年12月に中国の湖北省武漢市での発生が報告されてから、わずか2カ月ほどでパンデミック(世界的大流行)に至った。拡散スピードは、かつてないほど速い。

■(闘いの行方は)集団の免疫獲得で終息/ワクチン開発までは「三密」回避し医療崩壊防げ

 ――感染拡大に対する手だては。

 山本 現時点では、治療薬やワクチンがない。しかし、かつてのように疫病の正体が分からないままに人が倒れるのではなく、新型コロナウイルスの性質や広がりを科学的に認識しながら対策を講じている。

 そうした中で、例えば感染リスクの要因として「三つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)」が明らかになっている。これらを避けるといった一人一人の行動を通じて、患者急増による医療提供体制の崩壊を防ぎつつ、重症者や死亡者を増やさないようにしなければならない。

 ――流行は終息できるか。

 山本 人間が集団として、一定以上の割合が免疫を獲得すれば流行は終わる。反対に、それがないと、爆発的な感染拡大が起きるリスクが残る。免疫獲得に向けたワクチンの開発まで、感染の広がりをいかに緩やかにできるかが重要だ。

■「スペイン風邪」は第二波が高致死率

 ――一説には、流行の第二波が危ないともいわれている。

 山本 パンデミックの間は、新型コロナウイルスが強毒化するか弱毒化するか、どちらに転ぶかは分からない。ウイルスという存在の実態が詳しく解明され始めたのは1940年ごろで、未知のことは多い。

 ただ、1918年から19年にかけて世界を席巻した「スペイン風邪」(インフルエンザ)は、多くの地域で第二波の方が致死率が高かった。原因は不明だが、その歴史を頭の片隅に置いて警戒し、感染防御策を備えておく必要がある。

■(感染症と人類)ウイルス撲滅は不可能/被害抑えつつ共存・共生を

 ――今後も新型ウイルスは、出現し続けるのか。

 山本 数年後に、とは考えにくいが、長い期間で見れば、常に出現し続ける。生態系の中で人間が生きる限り、これは避けられない。私たちの社会には、いつも、さまざまなウイルスが入り込もうとしているし、人間が持つウイルスが野生動物に感染することもある。

 ウイルスは人間にとって脅威だが、マイナス面だけではない。人間はこれまで、さまざまなウイルス感染症を経験してきたことで免疫力が高まり、生態系由来の感染症から、ある程度身を守ることができている。

 ――人類はウイルスとどう向き合えばいいのか。

 山本 ウイルスは、動物や人間に寄生しないと生きられない病原体だ。その意味から、ウイルスにとって人間は大切な宿主。もし宿主をすぐに死なせる強毒な存在なら、感染を繰り返す前に自らも死んで、やがて社会から消滅してしまう。

 多くの感染症は長い目で見れば、人間に広がるにつれて、潜伏期間が長期化し弱毒化する傾向がある。ウイルスに何か意思があるわけではないが、あたかも人間との共存をめざすように進化している。故に、感染の広がりを緩やかにしていくことが、弱毒化の方向に進めるための力にもなり得る。

 感染症が全くない社会がいいように見えるが、未知のウイルスが流行してしまえば、その被害や社会的インパクトは図りしれない。やはり、多くの感染症に直面し、さまざまな免疫をつけてきた人間の社会は強靱だ。流行を許容するわけではないが、ウイルスの撲滅は事実上、不可能だ。被害を最小限に抑えながら共存・共生をめざしていくのが望ましい。

 やまもと・たろう 1964年生まれ。長崎大学医学部卒。京都大学医学研究科助教授、外務省国際協力局勤務などを経て、現職。医師。専門は国際保健学、医療人類学。著書に「新型インフルエンザ」「感染症と文明」など。

*参考(これまでのパンデミック)大きな社会変化の要因に

 人類は幾度も感染症のパンデミックを経験してきた。活発化する交易や戦争と共に広がり、社会に大きな影響を与えてきた。

 例えば、14世紀に欧州全域に波及したペストでは、欧州の人口の4分の1から3分の1の人を失った。領主の下で働く農民が急減し、農業労働に対する賃金が上昇。農民の立場が強くなった。ペストの脅威を防げなかった教会は権威を失い、中世の封建的身分制度は解体に向かったという。

 また、第1次世界大戦末期の1918年ごろに世界中で猛威をふるったスペイン風邪は、増大する物流や、動員を含めた人の移動が流行を加速させた。死者は世界で推計数千万人に上り、国内では40万人近くが亡くなっている。その甚大な被害から、大戦の終結が早まったともいわれる。

 今回の新型コロナウイルスが、社会にどんな変化をもたらすのか注目されている

Huawei社 Huawei Technologies Co., Ltd.

温度:コロナウイルスが高い気温で消失することを期待しないでください。50℃以上でしか消えず、そのような気温は赤道付近にしかありません。

ワクチン:すぐには利用できません。中国と米国ではワクチンの研究で世界をリードしており、中国はフランスと協力してサルでの検査を行っています。しかしワクチンが利用できるのは最も早くて1年半先です。

終息までの時間:ウイルス禍は数ヶ月で終息することはありません。1〜2年間続き、その間に東アジアと東南アジアの状況は制御可能になっいくでしょう。しかしその調整は長期に及びます。

最も気になる問題:最も気になる問題の国は、インド、南アメリカ、アフリカです。これらの国の医療施設は脆弱です。栄養状態もあまり良くありません。

予防:1.手洗いが最も重要です。頻繁に手を洗ってください。2.夜更かししないで、十分な睡眠を取ること。3.マスクを着用していても、人と話すときは安全な距離を保つこと。

症状:1.発熱や咳は必ずしも特徴的な症状ではありません。家で隔離して安静にしていた方がよい。病院に行くと感染する危険性があります。2.息切れがあり、1階から3階までの階段を歩いたり、平らな場所を200メートル歩いたりすると息苦しく感じる場合は、医師の診察を受ける必要があります。

患者のための食事療法:ウイルスの治療法はまだないので、患者が回復する最善の方法は、適切な食事をとることです。卵、新鮮な牛乳、魚、牛肉など、タンパク質の摂取量を増やしましょう。

事例(上海):患者の約80%が適切な食事療法と西洋医学と伝統的な中国医学またはTCM(伝統中国医学)の組み合わせをうまく利用しました。約20%が人工呼吸器の助けで元気になりました。本当に深刻な患者のわずか3〜5%がチューブの挿入を必要としました。子供はほとんどすべてのケースは軽症でした。

治療後:1. 肺線維症を引き起こすSARSとは異なり、基本的に副作用はありません。2.治癒して陰性となった患者が他の人を感染させることはありません。3.治療を受けた患者が抗体または免疫を持つどうかはまだわかりません。

オフィスで:1.ウイルスが中央空調を通じて伝播することを示すデータはありません。2.オフィスビルで最も危険な環境はエレベーターです。3.オフィスに窓がある場合は、開けたほうがよい。窓がない場合は、オフィスでもマスクを着用することをお勧めします。

マスク:1.通常の生活では、4時間ごとにマスクを変えたりする必要はありません。家庭では、日光に干した後のマスクを再利用できます。2.特に飛行機の中で、またはダイニングテーブルで、近くの別の人と同時にフェイスマスクを取り外さないでください。

健康を維持する:1.疲れすぎないでください。疲労感は抵抗力を低下させ、免疫システムを弱めます。2.体重を減らしすぎないでください。体重の減少は十分な栄養素、特にタンパク質が欠乏の可能性があります。3.体重を増やしすぎないでください。病状が深刻な場合、肥満かどうかは非常に重要です。4.体重が増えすぎないように十分な運動をします。可能であれば、歩いたりジョギングしたりするのが良い。5.可能であれば、屋外に出て公園を散歩します。その際、他の人とは安全な距離を保ってください。

要約すると、タンパク質の摂取量を増やし、頻繁に手を洗い、マスクを着用し、身体運動をたくさん行い、ストレスを避け、幸せな精神を維持することです。

ジョンズ・ホプキンス大学 Jhons Hopkins University

ウィルスは生物ではなく、何層もの脂質(脂肪)でできた保護膜に覆われたにたんぱく質分子(DNA)です。
このウィルスが、眼・鼻または口の粘膜の細胞に付着すると、突然遺伝コードが変異し倍々方式で増え侵略します。

ウィルスは生物ではなくたんぱく質分子であるため殺すことはできませんが、自然に崩壊(減衰)します。ウィルスが崩壊する時間は温度、湿度、どこ(何)に付着したかにより違います。

本来ウィルスはとても壊れやすいのですが、脂質でできた何層もの膜に覆われていることが問題でこの脂質の保護膜を取り除く必要がでてきます。
脂質の保護膜を破壊することができる石けんや洗浄剤は有効(泡立ててこすり破壊)な訳です。破壊するためには石けんをたっぷりと泡立てて20秒以上こする必要があります。
保護膜を破壊することによりウィルスたんぱく質は自然に減衰し崩壊していきます。

熱は脂質を溶かします・・・25度以上の水で手や衣服、その他を洗うことが有効な理由となります。さらに暖かい水は泡がより泡立つため、より有効となります。

アルコールとアルコールを65%以上含むものは脂質を分解します・・・特にウィルスの外側のたんぱく質の層を分解します。

漂白剤(塩素)1対水5の割合でプロテイン(たんぱく質)を破壊します・・・ウィルスの内側から崩壊させます。

過酸化水素水は石けん、アルコール、塩素の効果を長持ちさせます・・・過酸化水素はウィルスたんぱく質を破壊します。しかし、純過酸化水素水を使用する必要があり、皮膚を傷つける可能性があることに注意が必要です。

殺菌剤、抗生物質は役に立ちません・・・ウィルスはバクテリアなどの生物ではないので抗生物質で殺すことはできません。

服やシーツ、布などを振ってはいけません(使用、未使用にかかわらず)・・・表面に張り付いた状態では不活性なので勝手に時間がたてば分解するからです。しかし、これを振ったりハタキを使用すると、最大3時間空気中にウィルスが浮遊し鼻などに付着してしまいます。
― 3時間 (生地
― 4時間 (銅と木)
― 24時間 (段ボール)
― 42時間 (金属)
― 72時間 (プラスチック)

ウィルスは冷たい空気、寒い空間や家や車などエアコンがある場所では安定した状態で残存します。
また、湿気と暗さはウィルスの残存を促します。したがって逆に乾燥した暖かい、明るい環境は勢いを墜落させます。

紫外線ライトや光線はウィルスたんぱく質を破壊します。たとえば使用済みのマスクの殺菌には紫外線ライト(UVlight)を使用すると完璧です。但し、肌のコラーゲン(これもプロテイン)も破壊するので注意して下さい。

ウィルスは健康な肌を通り抜けることはできません。

酢(酢酸)は脂質の保護膜を破壊できないので有効ではありません。

スピリッツ、ウォッカも役に立ちません。
強いウォッカでもアルコール度数は40%です。ウィルスを破壊するには65%以上のアルコール度数が必要です。

アルコール65%以上のリステリンは役立ちます。

より狭く限られたスペースではウィルスも集中しているかもしれません。広い場所で換気がよければウィルスも少なくなります。

粘膜を触ったり、食べ物、鍵、ドアノブ、スイッチ、リモコン、携帯電話、時計、パソコン、机、テレビ、トイレなどを触る前にも、触った後にも手を洗わなければなりません。

頻繁に手を洗うことになるのでての保湿をして下さい。乾燥により生じる肌の小さなひび割れにウィルスが隠れ潜む可能性がありますから、厚めにハンドクリームを塗るのがお薦めです。

爪の中にウィルスが隠れるのを防ぐために、爪も短くしておきましょう。